古越前のお歯黒壺を掛け花生けに見立てたものです。
江戸初期頃の古格ある越前です。
自然釉の降り物と施釉が入り混じり艶やかな部分と焼締まった艶のない部分が明暗の景色を見せます。
左右の耳の片方が欠けさせています。花生のセオリーでしょうか。
よく見るお歯黒壺にくらべわざとらしさがまったくなく、造形が古信楽、古備前のような作為のない蹲に近く、花を呼びます。
江戸期の古い鐶も楕円形で品よく、錆ていますが堅牢さを保っておりますので気兼ねなく水をはり掛けて使えます。

古信楽の蹲がマスターピースだとしても、この古越前もよく場に応えてくれます。
古格の掛け花生をお探しであれば必ず納得いただけるものと思います。春は水仙、夏は朝顔、秋は鬼灯、冬は椿を生けました。
よく合います。

次のコレンクションのために大事に蒐めてきたコレンクションを手放します。
お品の価値を共有いただける方に渡れば幸いです。

寸法: 高さ110mm 幅113mm

付属品: 箱あり

他にも桃山時代の美濃陶片、美濃、唐津、古瀬戸、阿蘭陀のコレンクションを出品していますのでご覧ください。

落札価格によっては取り消す場合もあるかもしれません。
そこをご理解いただいたものとして入札をお受けいたします。

よろしくお願いいたします。